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平清盛最終話「遊びをせんとや生まれけむ」

とうとうこの日が来てしまいました。
1年間楽しませてもらった大河ドラマ「平清盛」、いよいよ最終回です。
12月23日に最終回というのはちょっと遅い方なのでは?
ここ3年間の大河は11月で終わる短縮版だったから、12月に最終回を迎えるということ自体久々な気がする。
ああそうか、それで最終回拡大版じゃないとか…?(いや、組!とかは普通に60分だったけど)
最近の大河は最終回75分拡大スペシャルとかが当たり前になってたから、今年は通常の放送時間のままというのが奇異に思えるけど、でも全50回もあったんだもんなあ。
贅沢言っちゃいけないか。


とにかく何かと低視聴率低視聴率と、そればかりが取り沙汰された作品でしたが、別に視聴率云々で見る番組を選ぶわけでもないので、なんとも思わない。
ただ、凄まじいバッシングと逆風に揉まれながらも、キャストやスタッフが気持ちを挫くことなく、熱意とポリシーをもって丁寧に作品を作り上げてくれたことは、本当に素晴らしかったと思う。
何とか色んな人に見てもらおうと試行錯誤して、ツイッターで様々な企画を用意して盛り上げたり、そういうスタッフの熱い心意気っていいよね。
おかげで、局地的にすごく熱いファンが生まれて、その熱い盛り上がりの中に参加もできて、組!以来の大河ドラマにハマる楽しさを味わいました。
スタッフ&キャストの皆様、本当にお疲れ様でした!!

キャストはとにかくすごくよかった!
知名度の高いキャストの揃った、いわゆる「豪華キャスト」な前半戦ももちろんよかったけど、私が特に良かったと思うのは、知名度の低い若手キャストの配役の絶妙さと熱演ぶり。
64歳まで生きる清盛を松山ケンイチが演じるとわかった時、すぐに、子世代孫世代はどうなるの!?と不安に思ったけど、案の定20代の若手づくしのキャスティングになったけど、一人一人がこれ以上ないほど役をつかんでいて、芸達者な俳優さんばかりで、安心して見ていられた。

大河ドラマに対して私がずっと思い描いている理想の形は、大好きな時代の大好きな人物を、まるで知らないような「えっ、この人どこから連れてきたの?」と思うような新鮮なキャストが演じてくれて、しかも今後その人しか考えられなくなるほどにハマリ役であること。
元からのファンの人が聞いたら怒るかもしれないけど、「新選組!」の時の山本耕史さんや堺さんが私にとってはそれだった。
そして、今年は新鮮な顔ぶれが居並ぶ中でも、やはり一番印象的だったのが、平重盛役の窪田正孝さん。
好きな人物を、今までに見たことが無い、新鮮な俳優がこれ以上ないほどに熱演してくれて、そこから加速度的にはまったようにも思う。
源義経役の神木隆之介もよかったし。
歴史上の人物で一番大好きな義経、また数年後に神木君で見てみたいなあ、と思う。

そして、主役の松山ケンイチ。
27歳でここまで演じられる俳優だとは、失礼ながら思ってもみなかった。
主役への評価は最終回後までとっておこうと思ってて、ついに最終回を見終えた今だから、遠慮なく絶賛できる。
始まった最初の頃は、物語の世界観とかガチャガチャしてうるさい清盛とか、朝廷の愛憎ドロドロ劇をしつこく描くのとか、そのへんがくどく感じて、ハマる気満々なのに、イマイチのめりこめなかったのも事実。
松ケンの演技についても、それほど評価していたわけではなくて。
でも、大河ドラマの醍醐味は、一年通して変化・成長していく役と役者にあると思うので、何だかんだ言いつつも清盛につきあっていたら、どんどん目が離せない人物になっていった。
平清盛を描くのに、綺麗事ばかりでは無理だろうと思っていたら、しっかりと腹黒いところや策士になっていくところも描かれて、その度に清盛の変化と、それを演じ分けていく松ケンの芝居に感心させられた。
何よりすごいと思ったのは、晩年の清盛。
老人になってからの老け演技も20代とは思えないほどナチュラルで、メイクもすごいけど、役者としてのそのこだわりは素晴らしかった。
自分とほとんど年齢の変わらない俳優相手に父親を演じるのも大変だろうに、本当の父親に見えた。
熱く熱く、渾身の力で平清盛という歴史上の傑物に挑んだ松ケンのこれからが本当に楽しみです。


さて、それでは、感想を。

最終回「遊びをせんとや生まれけむ」。


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平清盛第49話「双六が終わるとき」

いよいよ大詰めです。
大河ドラマが終わりに近づくと、今年も終わるんだなあ…と感じる。
とはいえ、去年までは3年間11月に最終回だったから、今年は久々に12月に迎える最終回なんだよね。
色々と感慨深いです。
今年1年も色々あったなあ…。


さあ、そんな感慨に浸りながら、国民の選択に首を傾げたくなる衆院選の開票直前に放送だった、平清盛第49話。


49話か…。
何がビックリしたって、少し前までは最終回は毎年恒例の拡大版だと信じて疑わなかったのに、通常と同じ放送時間だということ。
45分間って。
ここ数年、最終回は75分間の大盤振る舞いだったりして、その分、どう見ても蛇足な内容とか、間延びした最終回だとかそういう印象の最終回も多かったというのに、なぜこのドラマが拡大版でないのか。
もちろん、考えられることがあるとしたら、視聴率の問題なんだろうなあ。
NHKは打ち切りもないし、皆様の声にお答えするNHKなんだし…とのんびり構えてたら、今の世の中、NHKといえどもそう親切ではなかったということなのか。
せめて60分間は欲しかった。
近年稀に見る怒涛の内容の最終回になることは明らかなのに、紀行も含めて45分間だなんて…。
視聴率って何なの!?と今更に思います。


思えば、「新選組!」は本当に恵まれていたなあ。
慎吾君がSMAPだったことで、なかなか本人が番宣やイベント・ロケに参加できなくて歯がゆい思いをした一方で、看板番組で局を超えた大特集を組んでくれたり、他の俳優では味わえないスペシャル企画がたくさんあった。
これはひとえに慎吾君と、彼を取り巻くスタッフと、三谷さんの知名度に感謝かな。
でも、それだけではなくて、組!はファンの熱さが尋常じゃなかった。
視聴率は今の現状に比べれば良い数字だけど、当時はすさまじいバッシングに晒されてた。
でも、TV雑誌はこぞって後半戦に熱い特集を組んでくれたし、ファンサイトの数とか感想ブログの数も半端じゃなかったし、山南さんの助命嘆願をはじめ、NHKに寄せられたファンの声も物凄かった。
だからこそ、大河初の完全版DVD化、大河初の続編放送、キャストの座談会、アンコール再放送など、色んな型破りな展開が広がったんだろうね。


ツイッターを見てると、ファンの濃さは清盛も組!に似てると感じる。
もっともっと熱い声がNHKに届けば、低視聴率でも最終回拡大版など、色んな方向に可能性は広がったのかなあ。
つくづく、もったいない!
こんなに面白いのに!!


あとたったの45分間で、本当に終わるの!?この物語。
最終回予告が濃厚すぎて濃厚すぎて、胸がざわざわした。
衣川の合戦までやるとは聞いてたけど、本当にそんな時間あるの…!?
義経好きだからこそ、この平家の物語では、そこまで描かなくてもよかったように思う。
希望ある所で止めといてくれてもいいんだけどな。
まあ、源氏の世の終焉まで描いていかないと、最大のテーマである「武士の世」がどう続いていくのかがわからないから仕方ないけど。


最終回だけで、義仲(出ないけど)から一門都落ち、一の谷、屋島、壇ノ浦、源氏兄弟の確執、義経の死まで描くとなれば、とんでもない密度になりそう。
以前の噂では、清盛はこの49話で死んで、最終回は主役がほぼ出ないで、一門の末路をじっくり描く…みたいに聞いてたけど、デマだったのね。
本当はそっちの方がよかったなあ。
一蓮托生を掲げ、家族を愛した平清盛だったからこそ、一門の最期はじっくり濃密に描くべきだと思う。
ここへきて、色々と残念だったり、もっとこれが見たかった!という気持ちが湧き上がったり、最終回直前だというのに、心がざわついてます。
このキャストも世界観も好きだからこそ、清盛亡き後の彼らも丁寧に追いかけたかったなあ…。
予告の知盛の物凄い迫力とか、時子の表情や言葉だけで、既にぶわっとくるよ…(涙)
もちろん、あくまでも「平清盛」の物語だというのはわかってるけど。
でも、「平家」の物語でもあると思うから。


まず、源氏から。
このドラマでは源氏兄弟が仲良さそうで、ほっこりするなあ。
もう少しこの兄弟も見ていたかったな。
年の差のある兄弟なのに、頼朝が若々しい青年なせいで、どうも義経のほうが落ち着いて見えるというのが新鮮。
梶原景時とか、このドラマではあえて出す必要なかったと思うんだけど。(ただでさえ時間ないのに)
ここへきて北条義時が登場したのは、おおっ!と思った。
鎌倉という新しい「武士の都」を作ろうとしている面々の顔が輝いてるだけに、かつて同じ夢を見た清盛の若かりし頃の姿が切なすぎた。


そういえば、清盛ファンの頼朝は、すっかりエア矢が気に入って空に向かって放ってたけど、清盛と交互に映るから、清盛に刺さったらどうしようって思っちゃったよ(笑)
いや、若い頃の志や夢が再び清盛の心に甦り始めたということで、ある意味刺さったとも言えるけど。
頼朝が放った矢、自分の志を受け継ぐ次の人間に刺さったりするのかもね。
自分の地位を受け継ぐ人間に刺さるのなら、もう既にすぐ傍におりますが…。


それにしても、回想が多いなあ。
どれもぐっとくる場面ばかりだけど、残り時間わずかと思うと、気が急くというか、もっと他の場面を見たくなるというか。(今回こればっかり言ってるなあ)
真面目に見てきた人間には、いちいち回想入れなくても台詞や表情や間だけで、十分「あの頃」が瞼に思い浮かぶし、回想って正直あんまり要らないと思うんだよね。
清盛の人生は既にエピローグに入ってるんだとひしひしと実感させられた回だった。
本人は再び立ち上がろうと希望を捨ててはいないけれど。


最終回手前にしては静かな回だった。
叙事詩というよりも抒情詩という空気があるよね、このドラマは。
歴史的事件は来週1回で怒涛のようにつめこまれる。
本当にどんな描かれ方になるのか興味津々、期待と不安半々。
「義経」の時のトラウマが未だに尾を引いてて…


最終回一歩手前になってきて感じるのは、人生の総決算をする時期になると、夢を追いかけた自分自身の青年時代に出会った人物の比重というのは、やはり大きいんだな、ということ。
西行がこんなに出てくるとは思わなかった。
義朝や自分の若き頃を知っている友人だから、やはり清盛にとっては特別な存在なんだろうな。
こちらとしては、それほど思い入れのない人物だけど、軽口をたたいてる姿を見ると、やっと昔の清盛に戻ってきたかな、と思えてほっとしたりした。
清盛と大きく関わった人物というのは多いから、誰か一人に絞ることはできない。
だから、あの人は?この人とはどうなった?と、もっと見たくなる人物が多いんだよね。
頼盛も、時忠も、宗盛他の息子達も、いつも傍にいるとはいえ盛国との場面だってもっと見たいし。
重盛の回想だってもっともっと欲しいし。


清盛の人生に大きな影響を及ぼした人物の中でも代表格で、終盤に大きく出てきてるのは、白河院、忠盛、義朝、後白河、頼朝。
あと、信西や忠正叔父上も度々出てくる。
もっと身内にも注目してほしいと思ってた中で、時子との夫婦の場面があったのは良かった。
本当にぐっときた。
清盛に比べると肌も綺麗で美しいままの時子だけど、しっとりとした落ち着き、清盛を嗜める大らかさに、時子も変化してきたんだなあ、と感じた。
でも、あの明るい笑顔があったからこそ、清盛はここまで突っ走ってこれたのだと思う。
最悪の出逢いの回想が懐かしい。
今大河で一番好きな夫婦でした。


今年の大河が始まった当初、まだ世界観にハマりきれてなかった頃、時子と明子が出てきた回で、画面がパッと華やいで、特に時子の元気な明るさ、夢見る乙女な可愛さに心惹かれたのを思い出す。
最近の大河では珍しいくらい、出番も台詞も控え目ヒロインだったけど、時子と清盛夫婦はいつも可愛くて。
テーマからはずれてしまうかもだけど、「清盛展」を見に行った時の音声ガイドが凄くよかったから、時子のナレーションでも良かったなあ、とずっと思ってた。
あの清盛展の音声ガイドは、時子として語るから、最後は切なくて、涙出そうに切なくて良かったんだよね。


そんな時子と清盛の場面、本当に良かった。
琵琶を弾じる時子と、その音色に耳を傾ける清盛。
下手糞だの、耳に残る明子の音色を消されたくないから弾くなだの、色々言われたこともあった時子の琵琶を静かに聴く清盛の姿に、老夫婦がこれまで共に寄り添って歩んできた道のりの長さを思って涙が出た。


そして、今回ぐぐっときたもう一つの場面。
後白河との最後の双六。
高倉上皇が身罷り、後白河が返り咲く時のあの後姿からの登場にはぞくぞくした。
1ヶ月間息を潜めていただけに、再登場のインパクト、ラスボス感がハンパじゃない。
そして、さすがの院もついに老けメイクを!!!時子にも伝授してやって!


幽閉されていた間も暗躍していたとされる後白河院の目からはギラギラした光が全く消えていない。
しかし、その法皇の前に控えた清盛の背は以前よりも小さく、老いて見える。
今の平家の翳り、諸国の源氏の奮起、全ては後白河院の手の内だったと。
自らの身を一旦窮地に追いやってでも、世の平家に対する不満を煽りたかった法皇。
そのために、自らも重用していた重盛にあのような残酷な仕打ちを与え、清盛の最も大事なものを踏みにじることで、清盛の暴走を促した。
あの時の高笑い、目に涙を浮かべていたのを思い出す。
重盛を労わった言葉も、彼の本心からの言葉だったんだろう。
それでも、彼は清盛との双六に勝ちたかった。


清盛が後白河に最後の双六を申し出る。
闇夜に黒い衣の後白河の姿が一瞬見えなくて焦った(笑)
清太を賭けた、2人の出逢いの双六。
あれから続く長い長い双六遊び。
それを振り返る言葉と回想の場面にはやられたなあ。
清盛の志に影響を与えた訳じゃないけど、清盛にとって義朝と肩を並べる程の存在だった筈。


ライバルといっても義朝は友情を背景にした好敵手だけど、後白河の場合はそれとは違う。
武士の世を創るために武士にとって不慣れな政の世界に一人挑んだ清盛をとことん苦しめ悩ませた、敵でありライバル。
でも、孤独な後白河にとっては、清盛は血の繋がりもある、特別な存在だったんだろうな。


最後の双六、清盛は七の目を出して、ついに勝つ。(夜が明けるまでやってたとは、長すぎ…!)
そして、一門を思い、これを最後の勝負としたいと告げる清盛。後白河と清盛の、長い長い遊びにとうとう終止符が打たれた。
清盛が後白河に言った「武士はもう王家の犬ではない」に、これが今年一年かけて伝えたかった、平清盛という男がやり遂げた事だと感じた。
「武士の世」はやや漠然として、具体性の点で頼朝に負けるけど、犬と蔑まれた存在から法皇と対等に渡り合える存在まで武士を昇格させた清盛の功績は大きい。


去り行く清盛を見送る後白河の表情がたまらなくて、何ともいえない寂しさを感じた…。
去ってゆく清盛の姿をじーっと目で追いかけてるんだよね。
もう二度と会えないかのように。その目は寂しげで呼び止めたそうで、切なくて。
遊び相手を失った子どものような、夕暮れの公園に一人ポツンと取り残された子どものような、そんな目だった。これで退場でもおかしくないけど、どうなんだろう?
最終回にも後白河は出るよね?
でも、「一人で生き、一人で死ぬ」の言葉のままに孤独に余生を送りそうに思えた。
義経や頼朝という新たな駒を手に入れるけど、頼朝は清盛には成り得ないし、空っぽのまま、この先を生きるんじゃないかと、そう思わせられる松田後白河の姿だった。


高倉上皇の最期の場面もよかったなあ。
姉さん女房だったけど、仲睦まじい夫婦だったんだな、と凄く感じて泣けた。
このドラマの女性は最近の大河に比べ、現代的視点や価値観を口にすることがなく、控え目で、静かに夫を支える妻が多かったね。
病の身で、細い息した吐くことができず、笛を吹こうにもかすれた音しか出ない高倉上皇。
それに対し、「何と美しい音色でしょう」と言う徳子の言葉に泣けて…。
もしかすると、本当に徳子には聴こえたのかもしれない。
上皇が元気だった頃に2人で笑顔で奏で合った、美しいその音色が。


来週は羅刹も再登場するのか。
うーん、ますます45分間で収まりきるとは思えなくて不安が。
頼盛、教盛、経盛、時忠、盛国、時子、宗盛、知盛、重衡、忠清、宗清、維盛、資盛、徳子…今出てる平家の面々だけでも、これだけの末路を描かなければいけないのに。
羅刹に割いてる暇なんてないよー!
清盛死後こそが源平合戦本番という感じだから、ここで終わってしまうのは、どうにももったいなくて、続きが見たくて見たくてたまらなくなる。
続編というか、番外編を作ってくれないかなあ、NHKさま。


清盛もついに熱病を発症…。
その場面、清盛が宋剣を一生懸命磨いて手入れしてたのに泣けた。
もう遅いよ…と思っても、清盛が再び気力を取り戻したんだと感じられて。
友の息子が自分の成そうとしてきたことを辿るように、武士の世を創るという同じ夢を見ていることに気付いた清盛は、どんな気持ちだったんだろう。
でも、単純に友の子だから諸手を挙げて喜ぶというのではなく、もう一度源氏と戦おうという清盛の気概は嬉しかった。
それでこそ清盛。
次回予告で、今年はこれは言わないんじゃないかと思ってた、平家物語準拠のあの名台詞「頼朝の首を我が墓前に…」が出てて驚いた。
でも、それでこそ平清盛だよね。
武士の心を取り戻したゆえの言葉だと信じたい。


それにしても、清盛も平家がこんな状況の中、死ぬに死ねなかっただろうなあ。
自分の死後、あの頼りない宗盛が棟梁で平家は大丈夫なのか!?とか。
武士の世の行方ももちろんだけど、家族を愛した清盛だからこそ、平家一門の行く末が何よりも気がかりな筈。
いきなり生霊になっててビックリしたけど、最終回、滅び行く一門と源氏の末路をも全てこの姿で見届けるのかな?
まあ、ファンタジー要素の強い大河だとはわかってたので、それほど衝撃は受けないけど、でも、最終回が色々と心配(汗)


ああ、本当に来週までの一週間が長いような短いような、とにかくソワソワする…!!
タイトルはやっぱりあの言葉で納得だし。
さあ、一年間の集大成。
今年の最終回は例年になく怒涛の展開なので緊張するよー!

平清盛第45話「以仁王の令旨」

重盛がいなくなってから初めての回。
クレジットからも重盛の名前が消え、回想シーンもなく、開始早々喪失感にとらわれてしまった。
同じような空虚な思いを抱いていたであろう人々のドラマが展開され、ひたひたと迫り来る終焉の足音に背筋が寒くなる、そんな回でした。
今回のMVPは誰だろう…難しいな。
虚ろな眼をした清盛かなあ。

それでは、今週も感想にいきたいと思います。

平清盛第45話「以仁王の令旨」。




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平清盛第44話「そこからのながめ」

し、しげもり………(号泣)


…………。


カ、カツラが半地毛なせいでリアルすぎるんだよー……(またカツラのせいにしてみる)


よく頑張ったなあ、重盛さん。
彼の生き様に、悲しすぎる最期に、涙涙の44話でした。
真面目で誠実、心優しく努力家、文武両道の平家の良心・平重盛を約半年間にわたって熱演された窪田正孝さん、本当にお疲れ様でした…!!
どれだけ賛辞を送ってもまだ足りないと思うほどに、本当に素晴らしい魂のこもった熱演の数々に、心から拍手を送りたい。
24歳になったばかりの若さで、これだけ難しい役を演じきる才能。
これからが楽しみな俳優さんに出会えて、本当によかった。
源氏贔屓の私が平家で好きな人物は主に三人いて、その中でも身近に関連の史跡がある平重盛は、個人的に最も身近に感じる平家の人物でした。
その人物に命を吹き込んでくれて、これだけ魅力的に演じてくれて、きっとこれからもずっと忘れられない重盛になりました。
本当に素敵な重盛をありがとう。
重盛が本役に代わった頃から加速度的に物語世界に引き込まれていったのは、偶然ではなく、窪田重盛の存在感
があったからこそ。
出すぎず控えすぎず、一途で誠実、繊細な心の持ち主を、こちらも胸を痛めながら追いかける毎週で。
それも今日で終わりと思うと…(涙)



それでは、今週の感想にいきます。

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平清盛第43話「忠と孝のはざまで」

あまりにも、あまりにも、重く悲しく辛くやるせない回だった。
MVPは間違いなく重盛。
またしても、大河ドラマ「平重盛」を見ているような気分になったよ…。
でも、これは清盛のドラマ。
ここまで腹黒く、自らの手を汚すのを厭わず、夢でも志でもなく高らかに「野心」と言い張る主人公が大河ドラマにいただろうか。
いや、昔は知らないし、わからないけど、少なくともここ数年では突出して汚く恐ろしい主人公。
だんだんと腹の中が読めなくなってきた清盛とは反対に、清らかな心の持ち主で真面目すぎるゆえに器用に立ち回れない重盛が、どんどん物語を見ている人間の気持ちを惹きつけていっているのを感じる。
この重盛も、私がこれまで読んで知ってイメージしてきた重盛像とは少し違う風に描かれてきてるんだけど、そのくせ、昔からの重盛のイメージのままで見ていても違和感ないのが不思議。
この不器用で悲しいすれ違い親子に、完全に心を奪われています。
あまりにも悲しくなりすぎて、月曜日は大事な会議があったのに、一日ブルーだったよ…(涙)

では、感想など。
いつも見終わった直後にツイッターで呟いたりしてるんだけど、今回はそんな短文でちまちま打つ気にはなれず。
一気にいきます。長くなるかも。


第43話、「忠と孝のはざまで」


その1、重盛と成親


投獄された成親を見舞う重盛。
重盛の顔を見た成親が真っ先に訊ねたのは、西光のことだというのが、この薄情で変わり身の早い男の、最も素の部分のように感じた。
「信西入道の国へと旅立たれました」と告げる重盛は優しい。
そして、「何故このようなことを…?」と成親に問う重盛。
長男で、弟達とは母の違いから距離を感じている重盛にとって、成親の存在はその妹・経子と並んで唯一といっていい安らぐ存在だったんだろうなあ。
義兄とはいえ、本物の兄のように思って慕っていたのがわかるだけに、投獄されているのは成親の方なのに、重盛の方がずっと傷ついているように見えた。
これまでの自分へ見せた優しさ・態度が嘘だったのか…とも当然思うだろうし、平家を滅ぼそうと考えた仇ともなった相手。
でも、憎さは彼の中にはないんだろうな。


ふらりふらりと日和見で、常に自分自身を安全圏に置こうとしていた要領の良い成親。
その胸のうち。
長年積もり積もった思いもあるのだろう。
出世欲や、自分の人生を顧みた時にふと過ぎるものもあったのだろう。
もっと惨めに重盛に縋り付くかと思いきや、それほどでもなかったところに、少しだけ成親を見直した。


「お助けいたします。成親様のためにも……我が父、清盛のためにも」


重盛の心の中には、いつも父・清盛がいる。
前回、執拗に西光に暴行を加える父を止めたのも、暴力を見かねたからというだけではなく、父がこれ以上傷つかないように、という気持ちからだと思う。
その父を想う優しい心が、彼自身の心を蝕んでいく。


盛盛会議で成親の処分をめぐって話し合い。
成親の助命を願い出る重盛に、宗盛が横から口を挟むと、「否!」と兄上から鋭い一喝が。


「ただ帝のおんため、国のため、平家一門のために言うておる!」


このあたり、鬼気迫る声と表情の重盛に対し、何だかぼんやりとした宗盛に、軽い声音で話す重衡が、どうにも同じ議題について話し合っているように見えないほど真剣さが違っていて、重盛の孤立をまた感じることに。


流罪と決まり、ひとまず命を助けられたことに安堵する重盛夫妻。
この大河、有名なエピソードをちょこちょこ上手に挟んでくるけど、今回も重盛が成親に着物を送ったというエピソードが挟まれてて嬉しかった。
左近衛大将を辞任した重盛を気遣い、兄のことを謝る経子。
それに対して、久々の穏やかな微笑みと口調で優しく返す重盛。
相変らず、素敵な関係の夫婦です。
経子と一緒にいる重盛の姿が一番落ち着いていて、好きだなあ。



その2、成親の最期


しかし、清盛は恐ろしい。
重盛の懇願に対しては、「仕方ないのう」というようにあっさりと助命を聞き入れてみせたものの、本心は到底そんなものではなく。
流刑地で配所に板を打ち付けて、餓死させる。
あの日和見で、身なりは常に美しく、いかにも貴族といった風情の優雅な佇まいだった成親の最期が、これほど凄惨で酷いものになるとは…。
重盛夫妻が心を込めて送った着物も、当然本人のもとには渡らず。
部屋の中を飛び回る蝉が、短い寿命を燃やして息絶える姿に、成親のその姿を重ねて見せる演出に、おそろしくて鳥肌が立った。
自業自得といえば当然そうだろうけれど、ずっと長い間登場して人間性豊かに描かれてきた人物だけに、この、あっけない冷淡な幕引きが予想外で。
今年の脚本・演出は、平治の乱の時のように、叙情的だったり少年漫画的な演出・描写も多いくせに、時々おそろしいほどに人物を突き放して描くから、本当に気が抜けない。



その3、重盛と清盛


成親の死を知って、あまりのショックに気落ちする重盛のもとへやってきた清盛。
どう考えても、親子とは思えない言葉のかけ方。
ドラマではきちんと描かれなかった最初の重盛による成親助命嘆願の時は、この親子はどんな会話を交わし、どんな様子だったんだろう。
息子が可愛いから、情にほだされてその必死な意見を聞き入れたであろう、その時の清盛と、今の清盛と。
見失いかけているのは、重盛だけではなく、視聴者も同じ。


「そうまでして父上が作りたい国というものを、私も見てみとうなった」


と、晴れ晴れとした表情で経子に話していた重盛を思い出した。
今もってその父が目指す国というものがわからない。
清盛の青臭く人情味あふれる若い頃をそばで見て知っているから、重盛にとっては、父が目指す国づくりというものには、きっと父の夢や志が詰まっているのだろう、と思っていたんじゃないのかな。
だから、険しい修羅の道に足を踏み入れた父を、自分も必死でそばで支えていきたいと思って、ここまで努力してきた。
心を壊すほどの辛い仕打ちを受けても、誰に何も相談できなくても、何とかここまで頑張ってこられたのも、その思いがあったから。
父を支えること=重盛の夢だったかもしれない。
でも、今はそれすら見えない。


「この上、何が足りないと仰せですか」


と縋るように問う重盛に、清盛は息子の弱さになど関心がないと言わんばかりに、感情なく言い捨てる。


「平家の棟梁として、黙ってわしを支えよ。それこそがそなたの務めじゃ。それだけがな」


この、「それだけが」という言葉が、ぐさりときた。
その前に重盛自ら「拙いながらも」と言っていて、この台詞だと、まるで清盛が重盛を「お前はそれくらいしか出来ることがないだろう」と言っているかのようにも聞こえる。
この場面は、清盛が嫌いになりそうだった。
あれほどまでに、縋るような目をして、答えを求めて問いかけてくる息子を、赤の他人のように突き放す清盛。
重盛の絶望しきった表情の暗さ、立ち上がるときのよろめき方、生気のなさ。
既に病魔は彼の体を蝕み始めている。


盛国もさー、「お辛いでしょうね」じゃないよ!
誰よりも清盛のそばにいながら、全く諌めようという気がないのは、無二の忠臣であっても少し残念な印象。
重盛の存在が清盛にとって大事かそうでないかくらいは、盛国にわからないはずもない。
重盛が心と身体を病み始めていることに、少しくらいは気づいて危機感とともに清盛に進言くらいしても良いと思うんだけど。
そのへん、主従関係の難しいところだね。


その4、源義経誕生


うわーうわー、ついに義経が元服…!!
個人的にはもちろん、とっても盛り上がった場面。
神木義経、いい!!
子役上がりでも小手先の芝居しか出来ない俳優はいるから、実際に見てみるまではどうなるか…と思ってたけど、そんな不安などどこへやら、実に凛々しい若武者姿に感動。
同い年の女の子を母として演技するのは大変だろうに、一切違和感を抱かせないのがすごい。
これは重盛にも言えることだけど。
母子対面場面だけはないと思ってただけに、実現して本当にビックリしたよー。
武井さんの常盤も、なかなかにいいよね。
こんなに若いのに、心ならずも悲運の半生を歩んできた大人の女性、という雰囲気がよく出てた。
どんどん綺麗になっていくなあ。


このへんの遮那王の、決意と葛藤とかはもっともっとじっくり描いてほしかったけど、これはあくまで平家の物語だからしかたない。
それでも、わずかな登場シーンで、ひとつひとつの台詞や表情で、決意の揺るがなさ、子を思う母の心、さだめを見据えたそれぞれの心をよく見せてくれたと思う。
自分の手をとった母の手を、ゆっくりと押し戻して、別れを告げる遮那王が印象的だった。


父が非業の死を遂げた尾張の地で、烏帽子親もなく、弁慶だけを相手に孤独な元服をする義経。
「義経」という名前は、母・常盤がつけてくれた。
この元服の場面は、文で読んでも映像で見ても大好きな場面なので、すごく嬉しかった。
まだ着物は稚児水干のままだけど、烏帽子を被った義経の表情が、あどけなかった遮那王のものとは全然違っていて、ごく自然に「ああ、義経だ」と思えた。
弁慶も言葉をあらためて、「あなた様の」と言っていたところを見ると、来週あたりからはついに「殿」と呼ぶ弁慶が見られるのかな?
楽しみです◎


その5、伊豆の恋人たち


うーん、義経に比べると、同じ源氏でも伊豆パートはどうもぬるい空気が漂ってるなー。
ダイジェスト的に挿入されるから、そう感じてしまうのかな。
でも、政子も藤九郎も喋り方が現代風で口先で軽く転がしているように聞こえるからか、何だかいまいち入り込めない。
この爽やかに立ち上がった頼朝兄ちゃんが、数年の後にはあれだけ冷淡(陰険ともいう)な疑り深い性格になるのはどうも納得いかないんだけど。
時政も歴史的決断をあっさりと…という感じだけど、この人の場合は、娘が本当に可愛いんだろうから、娘が幸せそうな姿を見てはこれ以上何も言えないんだろうな。


その6、倒れる重盛


あれだけ父に失望し、心を痛ませてばかりだというのに、相変らず勉強熱心な重盛に涙…。
有職故実だけを身につけても、清盛が目指す世には役に立たないと自覚しつつも、自分に出来る役割を懸命に探して平家を支えようとする覚悟が見えて。
そこへ貞能から清盛上洛の知らせが。
また何を企んでいるのか…と表情を曇らせながらも立ち上がろうとした重盛は、倒れてしまう。
いよいよ来るべき時が来た…と、胸が苦しい。


その7、重盛の涙


ここから、本日最大の名場面、いや今大河屈指の名場面が始まります。


法皇の居る法住寺殿を攻め、法皇を拉致・幽閉しようと動き出す清盛。
双六遊び、ゾクゾクいたしまする、などと互いに牽制し合っていた頃とは、まるで違う緊迫感が漂う。
平家一門は武装し、父の下知をただ待っている。
そこへ、現れる重盛。
病をおして現れたその姿は、戦装束ではなく、白い直衣姿。
甲冑に身を包んだ兵達が、その重盛の姿を見て道を空ける中、しずしずと静かな表情で現れた重盛に、鳥肌が立った。


ここの、いわゆる「教訓状」の場面は、私が清盛重盛親子のエピソードの中で最も好きな場面。
平服で現れた重盛に対して、バツの悪さを感じた清盛が着物の襟を掻き合わせる姿とか、そういうのも見てみたかったけど、この大河でのこの場面がどう描かれるのか、ずっと興味があったんだよね。
清盛=悪、重盛=善のイメージが強い平家物語をはじめ、これまで触れてきた様々な作品と、今回の大河ではこの親子の関係性は似ているようで異なっているように思う。


その親子の場面。


「その格好は何とした」


と清盛に問われ、


「父上こそ、そのお姿は何事にござりまするか」


と冷静に返す重盛に、普段とは違う覚悟を感じる。
父の野望に対し、これまた冷静な口調で、


「なんと情けないお言葉。一門の運も尽き果てたのでございましょう。人は運が傾き始めると、必ず悪事を思いつくものにございます。」


弟達をはじめ、一門皆が重盛の言葉に息を呑んで彼を見つめる。
西光に対する清盛の仕打ちも見てきた彼らは、重盛の言葉が清盛の逆鱗に触れるのでは、とただそれを気にしているようにも見える。
そして、意見を変えない清盛に、重盛は決死の覚悟を宿した表情で告げる。


「ならば、私が御所を警護いたしまする」


色めき立つ一門。
清盛の表情も変わる。


これまでに法皇に受けた恩義の深さを、切々と語る重盛。
ここのBGMがまたいいんだよなあ…。
それほどまでにあの後白河院に恩を受けたか?と少し疑問に思ってしまったけど。
でも、そんな個人対個人の恩を指して言っているのではなくて、重盛にとっては、従五位下に任じられて以来の取立て全てが院の心あってのものだと本心から思っているだろうし、近臣として、部下として、これまで自分や平家一門がこれほどまでの地位に穏やかに甘んじていられたのも、法皇の恩によるものだと純粋に感じているのだろう。
ただ、現代人にはそのへんがややわかりにくいので、もう少し、院と重盛の心通わせる場面とか、院が重盛に言葉をかける場面とか、そういう2人の場面を入れておいてくれれば尚よかったのになあ、とは思う。


立ち去ろうと背中を向ける重盛を呼び止める清盛。
ここ、ぐっときた。
いつもいつも、父の背中を見送るのは重盛の方だった。
振り返って心のうちを見せてくれない父、清盛の背を重盛はいつも見つめてきた。
それが、ここでは初めて、背を向けた息子を父が引きとめようとする。


歳をとったとはいえ、上背もあり、武装している清盛は、病で細くなっている重盛と比べると貫禄十分。
重盛の肩を押して床に倒し、胸倉を掴んで息子を睨みつける清盛。


「それを阻もうと言うのか。平家の棟梁たるそなたが。…我が子である、そなたが」


この清盛の「我が子」という言葉を聞き、それまで平静を保っていた重盛の眼に涙が溢れる。
重盛の心の中に常にある葛藤。
父と院とのはざまでどちらか一方だけを立てることができない、その苦悩。
それでも、自分の信念に従い、目的を見失い野望に燃えるのみとなっている父を止め、忠義に殉じようと心を決めた重盛を、「我が子」の一言が揺らがせる。


「悲しきかな…」から始まる台詞が、意外にも古語調のままだったことにビックリ。
もう少し、口語体に直して言わせるものとばかり。
でも、そこに違和感を覚えたのは最初の一瞬だけで、その後はもう引き込まれるばかり。
つくづく、窪田正孝というこの若い俳優の演技力に驚かされた。


「忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず…。進退これ窮まれり…」


悲痛な声で、涙をぼろぼろと零しながら訴える重盛。
清盛の表情がまた凄い。
冷徹な、野心に取り付かれた眼差しが、少しずつ戸惑いを隠せない表情へと変化していく


自分の襟元を掴んでいる父の手をそっと外し、震える手でその父の大きな手を包み込む重盛。
この仕草にやられた…。
言葉よりも何よりも強く、その手が物語っていたように感じる。
両手で父の手を懸命に握り締め、子としての精一杯の愛情を伝え、訴える。


「かくなる上は、この重盛が首を召され候え。さすれば、御所を攻め奉る父上のお供も出来ず、法皇様をお護りすることも出来ますまい…」


その言葉に、さすがの清盛の表情も変わった。


「父上…」


少年に戻ったかのような、か細い声で父の情けにすがる重盛の姿は、この時の清盛にはあの幼い清太に見えていたんじゃないんだろうか。
平家を統べる者として、野心にとりつかれた人間として、修羅の道を突き進んでいた清盛は、きっとこの瞬間、一人の「父親」に戻ったのだろう。
愛する我が子を初めてその腕に抱いた時のあの温もり、自分と血が繋がった唯一の存在が生まれた喜び、それを思い出したように、その表情は見えた。
その最愛の息子の首をどうして刎ねられよう。
重盛は、孝行と忠義どちらも選べず、精一杯の父親の情に最後の訴えをした。
清盛は、その息子への情に負けた。


重盛の行動の動機はすべて、父・清盛のため。
夢も志も父に預け、自らの命をすり減らしてでも、父を必死で支えようとしてきた。
院に刃を向ける父を止めるのも、これ以上父に罪を犯させないため、とも思える。
そう考えると、重盛は忠と孝のうち、孝を選び取ったといえるのかもしれない。


親子が本音で語り合い、和解し、笑顔で向き合える日が来ることを願いたいけれど、その前に、決別の日が訪れてしまう。
その瞬間を思うと、今から心が痛くてたまらない。
これまで自分の胸のうちに押しとどめ、弱音を外へ洩らさず、必死に背筋を伸ばしていた重盛の慟哭に、一門が皆悲痛な表情を浮かべているのは少しだけ安心したよ。


その8、重盛と宗盛。


この2人の兄弟の確執は、細々と描かれてはきたけど、本当はもっと描写がほしかったなあ。
結構期待してたんだけどな。
でも、今回、余計な口を挟んで重盛に怒られる宗盛とか、重盛不在を良いことにまんまと棟梁の座に座っていた宗盛とか、さらに兄の無言の視線の圧力にあっさりと屈して不満そうな表情で席を空ける宗盛とか、色々見れたのは良かった。
何よりよかったのは、重盛が心情を吐露して号泣する様子を、宗盛が目に涙を浮かべて痛ましそうな表情で見つめていたこと。


9歳下の気楽な位置から常に兄を見てきて、真面目すぎる兄の姿勢に不満を抱いたりしていた宗盛。
叔父に焚きつけられたことで、自分にも嫡男たる資格があるのだと思い上がった心にもなった宗盛。
だけど、その、常に自分より上にいて、自分達には一切弱音を吐かなかった、生真面目で煙たい存在の兄の、棟梁としての重圧・苦しみに、宗盛はこの時初めて気づいたんじゃないんだろうか。
兄には兄の苦労があって、命を投げ出すほどの葛藤があったことに、ようやく思い至った三男坊。
兄弟、これからなら協力しあい、手を取り合って平家を隆盛に導くことも出来るのでないか、と思わせられた宗盛の表情だった。
宗盛、基本的には人の好いボンボンだからな~。
でも、気づいた時には既に遅く。
その、凄まじい重圧の棟梁の座に、次は自らが座らなければならない。
来週以降、重盛に代わって息子世代は宗盛が目立ち始めるわけだけど、楽しみと同時に切ないです。
次回は重盛と清盛がメインだろうけど、重盛と宗盛の兄弟についても、心の和解の場面がわずかでもあればいいなあ…。


その8、次回予告


もう、予告を見た時点で、来週の月曜日の鬱加減が想像できてしまった…(涙)
だめだ、来週は立ち直れる気がしない。
重盛…重盛……!!!
俳優さん自身が「ドS脚本」とか「これほどまでに儚い人生が他にあるのか」とか言うほどだから、きっと最期の最期まで苦悩と葛藤の中でもがく重盛なんだろうなーと思うと、辛くて辛くて…。
ほんのわずかでもいいから、清盛と親子らしい場面がありますように。
重盛にとって救いとなる場面がありますように。
親の腕の中で息を引き取る展開なのかな…。
清盛にとっては、息子の口からあんな言葉が出るなんて、一体どれだけのショックだろう。
この親子がもうかわいそうでかわいそうで、本当に辛い。
後白河院は、脚本の展開によっては絶対に許さない…(不安)
ああ、日曜日が早く来てほしいような、来てほしくないような。


あと、公式サイトのみどころ写真集も…
きわどい写真の数々に絶句。
カツラが半カツラのせいで、よけいにリアルなんだよー!(カツラのせいにしてみる)
もう、泣くしかない…ううう。
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